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白神で出あった軟体動物腹足類

マルタニシ

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2011年7月2日 マルタニシ 広泰寺池にて.

広泰寺池には大小さまざまのサイズのマルタニシが所せましと動き回っています.このことはあらゆる世代のタニシが揃っているということであり,環境汚染もなく彼らにとっては最高の生息環境であることを示しています.

カワニナ・ヤマナメクジ・ヤマコウラナメクジ・マルタニシ

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2010年5月15日 カワニナ 大沢林道の沢筋にて.

 成体2個体と幼体1個体,右隅にアメンボウが見えています.

白神山地の軟体動物腹足類 (3).jpg

左上より順に時計回りで

カワニナ 2009年7月23日 白神山地自然観察園にて.

 観察園の池や小沼,谷沿いの水路にはカワニナが無数に生息しています.ゲンジボタルやヘイケボタルの幼虫の餌になることでよく知られています.

ヤマナメクジ 2010年7月24日 大川源流部鍋倉森にて.

 大きいもので14-15cmにもなる大型のナメクジ.彼らの生息場所は大木の樹幹とばかり思っていま

したが,むしろ倒木や石の下,草葉のかげなどの方が多いようです.

ヤマコウラナメクジ 2010年5月15日 大沢林道にて.

 体前進が真っ黒なナメクジ発見! いわゆるナメクジの黒化突然変異か,と思いきや本来黒い体色のナメクジでした.青草を食べるようですが,なぜ真っ黒になるのか不思議です.

マルタニシ 2009年5月21日 広泰寺池にて.

 広泰寺池には成体だけではなくさまざまな成長段階のマルタニシが過密すぎると思われるほど密集して生息しています.

樹上で交尾中のヤマナメクジ発見! 

ナメクジやカタツムリの仲間はそのほとんどが雌雄同体で,各個体が精巣と卵巣の両方をもっており,交尾の必要はないのではと思いがちですが,単身で受精することはなく,必ず交尾するのです.写真では2個体が頭部を内側にして巴(ともえ)形になるように接し,頭部から白い生殖器を出し合い,中に入っている精子嚢を交換しているところです.このようにして同一個体内での受精・発生が阻止され,他個体の精子による受精を行っているのです.この日はヤマナメクジの神秘的ともいえる生殖行動に深く深く感動しました.

津軽峠で出あったヤマナメクジ

ヤマナメクジとナラタケ.JPG

2009年6月8日 ヤマナメクジ 津軽峠付近にて.

 西目屋村から深浦町岩崎へ抜ける白神ライン(旧弘西林道)の津軽峠のブナ林で,ナラタケのそばを通り抜けるヤマナメクジにであいました.ブナ林などでは樹幹にへばりついている姿を目にすることが多いのですが,それだけでは写真として単調でぱっとしません.この光景を見て,これはいい構図だなと思い,シャッターを押しました.写真のヤマナメクジは典型的な色調と紋様の成体ですが,この色調・紋様は次の写真に示すように,場所や個体によってさまざまに変異するようです.

ヤマナメクジは体色・紋様変異が多い?

 ヤマナメクジは生息する場所・環境によって形態も紋様も随分さまざまです.生育段階の違いもあるかもしれませんが,ときにこれも同じヤマナメクジ?と思ったりするくらいの違いがあります.白神山地に限らず,他の山系でもこのような多様性がみられ,これらをすべて同一種とすべきかどうかは未だ確定していないようです.

ヤマナメクジ紋様変異1.jpg

上左より時計回りで

2010年6月24日 十二湖崩山にて.20cmほどもありそうな大型個体.背中の紋様がない.

2010年8月27日 白神自然観察園にて.背中の中央線以外は白化型.

2011年10月16日 津軽峠にて.背面がしわしわで紋様があまりみられない.

2010年7月1日 白神自然観察園にて.体が透けて見えるような無紋の個体.

ヒダリマキマイマイ

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2010年6月24日 ヒダリマキマイマイ 十二湖崩山にて.

 日本のマイマイ(カタツムリ・デンデンムシともいう)のほとんどの種は殻が右巻きであるが,左巻きの殻をもつ種もあり,その代表がヒダリマキマイマイです.殻径 4~5 cm.

オナジマイマイ科の仲間

2011年10月15日 オナジマイマイ科の仲間 遺伝資源林.jpg

2011年10月15日 オナジマイマイ科の仲間 ブナ遺伝資源

保存林散策道にて.

 青森県郷土館元学芸員の山内智さんに見てもらいましたが,この仲間は似たものが多く,種を同定するには細部を見ないとわからない,とのことでした.

クリイロキセルガイモドキの近似種

2011年5月15日 クリイロキセルガイモドキの近似種 ブナ遺伝資源保存林散策道にて.

 山内智さんによると,この仲間は色彩変異が多く,種を同定するにはやはり細部を見る必要があるようです.

白神で出あったその他の動物たち

多足類 ヤスデの仲間

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2011年8月6日 ヤスデの仲間  白神自然観察園にて.

 筒のような丸みのある細長い体で,各体節に細い脚が2対ついているので,ヤスデの仲間のようです.ヤスデに近い仲間のムカデも同じような姿形をしていますが,各体節に太めの脚が1対ですので,容易に識別できます.写真では,ヤスデ2匹が頭側の体1/3ほどを重ねているところで,どうやら交尾行動に入っているようです.

カラフトオニグモの近似種

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2009年6月8日 カラフトオニグモの近似種 津軽峠にて.

クモの仲間

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2011年10月21日 クモの仲間 大川の川原にて.

 全身黒づくめの蜘蛛.その種名はわかりませんでした.

環形動物ヒルの1種

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2009年7月2日 ヒルの仲間 ミニ白神水源にて.

 ミニ白神の谷筋で緑色のヒルを発見.緑色のヒルといえばウマビルというヒルが知られていますが,ウマビルは頭部から末端に向かって白い筋が走るので,ウマビルではないようです.

2011年5月15日 クリイロキセルガイモドキか 遺伝資源林.jpg

2010年7月2日 ヤマナメクジ  白神自然観察園にて.

 観察園内に新設された白神自然環境研究所(現 白神自然環境研究センター)近くの大きな古木の上にめったに見れない交尾中のヤマナメクジを発見しました.ズームアップし,アングルを変えた写真を下に示します.

観察園ヤマナメクジの交尾.jpg
観察園ヤマナメクジの交尾a.jpg
ヤマナメクジ紋様変異2.jpg

上左より時計回りで

2010年7月2日 白神自然観察園にて. 

前の写真上左の個体と同様の大型個体であるが,色彩が異なっています.

2011年10月15日 ブナ遺伝資源保存林にて.

2010年7月24日 鍋倉森にて.細長い体型で透明感があり,背面中央に細いラインが見えます.体長が4㎝にも満たない幼体のようです.

2010年10月19日 白神自然観察園にて.

ずんぐりむっくりでざらざらした感じの体表.背面中央に点状の黒点が見えます.

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